しがない学生の雑記

吐けども吐けども毒を吐く。

書評 ― この世で一番面白いミクロ経済学の本

こんにちは。

 

私は経済というものに関する興味関心は多少ありますが、知識は全く皆無です。しかし、だからといってまじめに関連書籍を読む気にもなれない、要するにクズです。

 

そんな時に学校の図書館でこんな一冊を見つけました。

 

この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講

この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講

 

 

これが恐ろしく読みやすかった。そしてくっだらなかった。

まずこの本がどんなものなのか。あとがきをちょっと引用します。

 

ざっくりいろんな概念を理解し、それが経済学全体の中でどんな位置づけを占めるかという見取り図がほしいだけなら、手始めに本書を読むことは結構役に立つだろう。

 

まさしくこんな感じの本でした。

 

この本は、「ミクロ経済学について分かりやすく説明をする本」というよりも、「ミクロ経済学にとっかかるためにいろんな部分を省いて面白おかしく突っ走る本」というイメージで手にとったほうがいいかもしれません。

ところどころ訳の分からない単語が散見していますが、それをいちいち気にしなければこの本は相当なスピードでミクロ経済の知識をざっくりと与えてくれるように感じました。

ただしこの内容はあくまで「ざっくり」。そもそもこの本、経済学だから計算することがあって、それにまつわる計算式がいろいろあるはずなのに、計算式が1つしかでてこないという体たらく。いざ書いてみるとひっでぇなこれ。

 

しかしその分、図(というより漫画?)やグラフがこれでもかとぶち込まれているので知識に関する理解は多少できる。少なくとも、わかったつもりぐらいにはなれると思います。

 

特に面白かったのは需要と供給の曲線に関する説明と税金に関する説明。この部分は脱帽するレベルのわかりやすさ。曲線の平行移動する図を何度も用いて「売り手側だけ税金が上がっても買い手側にも負担がかかっている」という内容がすんなりと理解出来ました。思わず「あぁ!」と電車で声を上げそうになりました。

 

いつもどおり詳しく内容は書きませんが、オークションとか、ゲーム理論とか、パレート効率性とか、他にも色々と面白い話題がありました。これ中学生のはじめあたりで読んでいたら経済学部目指していたかもしれません。

 

しかしまぁ、わかりやすさに反比例しているように文量が少ない。本屋で買う気にはなれないぐらいの情報量でした。一気に読んだら多分2時間かからないで読めると思います。買うなら中古かなぁと言った感じ。

 

しかし、ミクロ経済を俯瞰的に眺めることができるという点ではかなり有用な一冊だったと思います。久しぶりに「もっとはやく読んでおきたかった」と思える一冊でした。興味ある方は是非どうぞ。