しがない学生の雑記

吐けども吐けども毒を吐く。

サンタを信じなくなり、現金を信じ始めた小4のクリスマス

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photo by Artistic-touches

 

こんばんは。

 

クリスマスも近い12月22日、みなさまいかがお過ごしでしょうか。世間はメリークリスマスだジングルベルだなんだと盛り上がっていますが、この時期になると度々話題になるのが「サンタをいつまで信じていたか」という話。

 

みなさんはサンタクロースっていつまで信じていましたか。この問に対する答えには、きっといろんなドラマとか思いとかがあると思います。私もいろいろあったので、今日はそんな話を書いてみようと思います。

 

 

 

まずいきなり話が違うんですが、私は幼い頃からサンタクロースについて懐疑的でした。きっかけは私が幼稚園のときです。まだ同居していた父は私に向かってこう言いました。

 

「サンタはベランダからやってくる。だからベランダの窓の鍵を一緒に開けに行こう」

 

なるほど、さすが父だ。やっぱり大人はえらいんだな。とか考えて一緒に窓を開けに行ったのを今でも覚えています。でもその次の年はそんなこともせず、窓は閉めきりだったのにサンタはプレゼントを届けに来ました。この時点で私はサンタに対して懐疑的になっていました。

 

そして、私が明確にサンタクロースを信じなくなったのが小学4年の12月でした。確か学校で「未だにサンタを信じているのはダサい」みたいな、いかにも小学生男子がいいそうなことがきっかけだったんだと思います。それで、母親に「サンタっていないんでしょ」と聞いたんです。

母は「お前可愛げがないなぁ」と若干笑いつつ、サンタクロースが非実在老爺であることを教えてくれました。私も薄々感づいてはいましたし、そりゃそうだよなって感じがしていたんです。

 

いろんな思い出をくれたサンタクロース。毎年いないんだろうなと思いつつも、それでもプレゼントをくれるからとりあえず信じておけばいいんだなと思っていたサンタクロース。そんなサンタクロースがやっぱり世の中に存在しないことを確認した時、私は、何か寂しい物を感じたことを覚えています。ですがその寂しさは、架空と現実の間にいた赤いおっさんから感じるものではなく、今年からなくなるかもしれないクリスマスのプレゼントから感じるものでした。

 

 

 

さて、問題はここからです。

 

私には2つ違いの妹がいます。彼女は私と違ってとても純粋で、当時は小学2年生でした。まだサンタクロースを信じていてもおかしくない年齢ですし、なにより私と同じ寂しさを味わうにはまだ若すぎます。

 

当然ですが、母は「間違えても妹にはこの事実を伝えるな」と口止めをしてきました。何度も書いていますが私は当時小学4年生でした。ですがその年齢でも、この口止めの重要性は強く感じていました。多分、まだ妹には純粋でいてほしいと思っていたんでしょう。だから私はその口止めを了承しました。

 

そして、その時は唐突に訪れました。

 

私が口止めについて返事をすると母は、おもむろに立ち上がり財布を取り出しました。一体何をし出すのかと思ったら、財布から五千円札を取り出し、私に向かってこう切り出したのです。

 

「大人になった記念。好きなものに使っていいよ。」

 

この言葉は今でも明確に覚えています。

 

この母からの「大人になった」には、今振り返ると色んな意味があるように思えます。それは単純に、自分からサンタを信じなくなったことに対してでもあるし、妹のために嘘を突き通すことに対してでもあったのかもしれません。

 

しかし当時の私は、現金を好きに使っていいと言われたことが、最も大人になった瞬間だと思いました。

 

当時我が家では高価な欲しいものがあった場合は両親に申し出て両親経由で購入する形をとっていました。ですから、それなりの金額を現金でもらって「好きに使っていい」なんて言われるとは思ってなかったんです。だからこの言葉は、親から初めて「お前はもうちゃんと現金を使える人間になった」というお墨付きみたいなものだったのです。

 

その後、私は貰った五千円札を見ながら、いろんなことを考えました。当時流行っていたカードゲームを大人買いしようか、あるいは児童向けの文庫を何冊もたくさん買おうか、はたまたお年玉と合わせてゲームソフトを買おうか、いろんなことを考えました。

 

そして思ってしまったのです。

 

サンタは頼んだものしか買ってくれない。でも現金は、使い方次第で色んな物に変えることができる。現金って素晴らしい。サンタよりも現金が優れている。だから大人はサンタを信じないんだ。きっと大人は、みんな現金を信じているんだ。

 

 

かくして私は母に五千円で買収され、サンタクロースを信じて疑わない綺麗な小学生男子を演じることになりました。

 

その後、私は母と一緒に「サンタクロースが私のために一生懸命選んだ」という設定のプレゼントをおもちゃ屋さんで選びました。隣にいる母からプレッシャーを感じつつ、それでもそれなりに欲しいものを買わないと不自然になると思いつつ選ぶのはなかなかに難しかったのを覚えています。

 

 

 

これが私が小学4年生の時におきたサンタクロースにまつわる話です。お察しの通り、多少盛ってるところはありますけど、それでも8割ぐらい本当の話です。

この「買収」は妹がサンタクロースを信じなくなった小学6年生まで続きました。またこの買収をきっかけに、私は無神論者かつ拝金主義者へと転がり落ちていきます。*1

 

 

今年のクリスマスが近づく今、世の子どもたちがサンタクロースを待っているという話を聞くと、私もあの頃に戻りたいと思ってしまうことがあります。今の自分には、あの頃の純粋にものがほしいと思う気持ちはなく、ソーシャルゲーム上にいるやたら露出が高いサンタコスのキャラクターが欲しいとばかり思うようになってしまいました。*2二十歳を過ぎた今でも現金の使い方は分かっていないと自覚しています。

 

 

お子さんをお持ちの皆様におかれましては、このようにひねくれた子供にならないよう、うまいことサンタクロースという概念を使っていただければと思います。

 

 

おまけ

現代のサンタクロースはネット上にいて、ほしい物リストを晒しておくとトナカイに乗ってではなく黒猫任せで密林から自宅までプレゼントを届けると聞きました。本当かどうか知りませんが、ここにほしい物リストを載せておきます。サンタさん来ないかなぁ。

 

www.amazon.co.jp

 

ここまで読んでくださったとしたら、本当にお疲れ様でした。ほんとろくでもない記事ですいませんでした。以上です。

*1:無神論者の話はこの次の年にきっかけが訪れるのですが、かなり重くなるのでクリスマスムード真っ盛りの今は書きません。どうせ書くなら正月のめでたい雰囲気のところにぶち込むか、お蔵入りかのどちらかです。

*2:クリスマスクラリスください