しがない学生の雑記

吐けども吐けども毒を吐く。

高専生活する上でかかるお金について生々しく書く【Kosen Advent Calendar 2015 9日目】

この記事はKosen Advent Calendar 2015の9日目です。

 

www.adventar.org

 

前日はsd_ts1017さんの「高専卒で就職した私に降りかかった恐怖」についてでした。更新が来たらこの下にリンクが有るはずです。

 

 

 

まず軽く自己紹介。じゅうそうと申します。SNCTの専攻科に居ます。来年からは大学院生です。専攻は情報工学ですが、プログラミングが大変苦手で、ゲームやったりブログ書いたりしています。最近ようやく重い腰を上げてゲームエンジンを触り始めました。将来はゲームの企画やる人になっているといいなぁ。

 

はじめに

みなさん、お金好きですか?私は大好きです。お金があれば大抵のことができます。意識高い感じで書けば、勉強をすることができます。意識低い感じで書けば、アイマスのLIVEにいけます。*1

 

今回は意識高い感じです。この記事では高専生活でかかるあんなお金やこんなお金の話を生々しく書いていきます。こんな記事どこに需要があるんだって話なんですが、そもそも高専の学費に関しては色々と面倒な事が多いです。学費の免除や、公立高校+専門学校との比較、高校無償化との関連など、思いついただけでもなかなかに面倒そうなことがいっぱいです。

 

そんな内容を入学前に聞くには、当然各高専の学生課に連絡を取るのが一番手っ取り早いのですが、入学するかどうかもわからない状態で学校側に連絡を取るというのはそれなりにハードルが高いです。だったらその前にちらっと読めそうな記事があったらいいだろうなと思いました。ゆえにこんな記事書いてます。

 

この記事が高専に入学を考えている人の助けになれば幸いです。あと、既存の高専生については、あるあるネタや節約ネタを楽しんでいただければ。

 

 

かかるお金の内訳

まずはかかる金の内訳についてざっくりとリストアップしていきます。もちろん各高専によって内容は変わってきますから、参考程度に見ていってください。

 

  • 入学料
  • 授業料
  • 教科書・教材代
  • 保険
  • 学生会費
  • 後援会費
  • 交通費
  • (インターネット、PC代)

 

だいたいこんな感じです。

 

だいたいどこの高専でも入学料が10万円程度、授業料が25万円程度で、初年度の学費は35万円ぐらいですとか言ってます。

 

学費と奨学金制度 | 学校案内 | 仙台高等専門学校

 

このページ見ていただけると分かるんですけど、実は教材費が馬鹿になりません。というのも、学科によっては製図用の道具を一式揃えるとか、工場で作業するための作業着とかを買わなければいけないからです。この辺りは専門的な内容を勉強するため仕方がないと割り切るしかないと思います。一応、教科書に関しては節約する方法があるので後ほど説明します。

 

最後に括弧書きでいれておきましたが、高専で学生生活を送る上で、自宅にインターネット環境とレポートが書ける環境(OfficeでもTeXでもなんでも入ってるノートパソコン)は無いと生きていけないと思います。

だいたいどの高専にも学生が自由に使えるパソコンはあると思いますが、それだけで生きていくのはかなり辛いと思うので、入学を考えているなら購入することをおすすめします。

 

この辺をふくめると、大体年額で50万は余裕で超えて、60万行くか行かないか、ぐらいになるのではないかと思います。ただし、高学年になればなるほど新規に購入するものも減ってくるので(授業数が減り準備する教材の数も減るため)、実際はもう少し少なくなるかと思います。

 

 

授業料免除について

さすがにこれだけ払うとなると結構厳しいなと思う方も多いと思います。そのため各高専では所得に応じた授業料免除制度を設けている事が多いです。ちなみに私は母子家庭で生活している人間なので、これがないと本当に高専に通えませんでした。

高専がやっている授業料免除については、受けるための条件がだいたい2つあって、片方は親の所得、もう片方が本人の成績です。前者が「払える人間には払ってもらう」という意味であるのは当然として、後半の方は結構厄介だったりします。

 

そもそも高専に入学している連中は、良くも悪くも頭の回転が速い人間が多そうで、その中で成績を維持するのは結構大変に思うかもしれません。実際これは本当にその通りで、頭の回転が速いやつは本当にゴロゴロ居ます。

 

しかしながら(あくまで主観ではありますが)、そのすべてが真面目に勉強して成績を維持しようとするかというと全然そんなことはなくて、あえて手を抜いている人もたくさんいます。そういう人たちと同じように朝学校ですぐに3DSを開いてみんなでモンハンしたり、深夜遅くまでポケモンの厳選をしたり、授業中にスマホでアニメや漫画を見たりしないで、入学して真面目に勉強して先生にわからないところを聞いていれば大体なんとかなります。いや、別に遊んでも全然大丈夫ですけど、遊びすぎていると簡単に内容が分からなくなるので、ゲームは一日5時間ぐらいにとどめておくといいと思います。

 

また、経済状況によっては成績基準のほうがゆるくなるという噂も聞いたことがあります。当然この辺は学生課の人に聞いても教えてくれるわけがないのですが、ある程度融通は効くもんだと思っておいていいと思います。

 

 

高校無償化と高専の学費

高校無償化というものがあります。もちろん高専と高校は別物なのですが、高専の1~3年次に限り、高校無償化っぽいものが適用されます。

 

これは、公立高校の学費分を高専の学費から引き算して、残った金額を請求するようになっています。これで授業料から10万円ぐらい減ります。おいしいですね。

 

ちなみに私立の高校は、下記引用文のようになっています。

 

特に、私立高等学校等においては、授業料等の経済的負担が重いことを踏まえ、私立高等学校等に通う低所得者世帯等の生徒に対しては、世帯の収入に応じて、就学支援金を加算して支給します。

 

高校生等への修学支援:文部科学省

 

これと同様に、高専の学生においても、経済的理由によって国が出してくれる金額が増額されることもあります。ありがたいですね。

 

 

先ほどの授業料免除と高校無償化の違い

いま説明した高校無償化の話と、先ほどの免除の話は似ているようで実は結構違います。

 

ちょっとわかりづらいと思いますが、先ほど説明した授業料の説明は、高専の4・5年生、そして専攻科の1・2年生の学費に関する話で、各高専(あるいは高専機構)で完結しています。

これに対してこの制度は、高校無償化の拡張版であることから、高専1~3年生までの学費に関する話で、各高専と国(というか文科省)が関わっています。

 

この違いが何を意味するのかというと、免除に関する手続きや提出書類が変わるということです。一番困るのが切り替わりの4年生のときで「去年と同じようにあれをいつまでに準備すればいいんでしょ」みたいな感じで呆けていると痛い目を見る可能性があります。十分注意しておきましょう。

 

 

 

学費免除関連手続きのやり方

 一応、免除関連の手続きをどのように行うかについて説明します。まず各高専の学生課から学費免除に関するアナウンスがあるはずです。このアナウンスは高専にもよるのでしょうが、年度のかなり早い段階で連絡があり、ヘタすると始業式前(4月2日など)に連絡がある場合があります。ですので、3月から4月にかけての年度の変わり目は、できるだけ目を光らせて校内掲示板や学校のホームページを見るようにしてください。

 

アナウンスを発見したら、当たり前ですがそのとおりに従ってください。大体の場合、学生課に行って申請書類を貰って、書類を整えて提出するという形になるはずです。この手のものは初めてだと想像以上に時間がかかるものですから、できるだけ余裕を持って作成するようにしましょう。また、わからないところを書き込んでもう一回書き直ししたり訂正印を押したりするのは大変面倒ですから、わからなかったら空欄にしておいて学生課で確認することをおすすめします。

 

この申請書類はなかなかの曲者で、書き上げたつもりでもだいたいどこかしらに不備があることが多いです。要するに、申請の締切ギリギリに初回提出をすると痛い目に会う可能性が高いです。ですから、できるだけ早く書類を整え一度提出して、直すべきところを見つけておくべきです。

 

ざっくりまとめると、免除に関する事柄はとにかく早く動くべき、です。これだけ守っていれば、たぶん大丈夫です。あとは学生課の人に頼りましょう。

 

 

学生課を信用してはいけない

と、言ったところでいきなりこんな話題をぶっこみます。信用してはいけない、というとさすがに言いすぎですが、それでも学生課が確実に信用できるとは言えません。理由はとても単純で、分かっていないことを分かったふりする人間がいるからです。

 

実は以前、学生課の免除や奨学金担当の方が居らっしゃらない場合に対応して頂いた人に、誤った説明をされたことがありました。最終的には免除の申請は通ったので良かったのですが、それ以降私は学生課を完全に信用できなくなりました。

 

そこまで言わなくてもと思う方もいるかもしれませんが、なんせ数十万の金が関わっている話です。できるだけ話がわかる人を選んで尋ねる、あるいはその人がいない時は出直すぐらいでもいいと思います。いずれにせよ、慎重に慎重を重ねて行動するべきです。

 

 

 

教科書をAmazonで買う

さて、授業料について永遠と話してきましたが、ここからはもうちょっと学生生活に寄った話をします。まず授業をうける上で必須である教科書についてですが、高学年になればなるほどみんな学校経由で買わなくなります。

 

御存知の通り、学校の生協を経由させると教科書は10%引きで購入することができます。これだけでも十分じゃないかと思う人もいますが、それでも教科書は大体の場合専門書であることから、結構なお値段がしたりします。低学年だと科目数も多いため、数万円になることもザラだったりします。こんなもん毎回馬鹿正直に払うなんて、たまったものではありません。

 

そのため学生たちは教科書が指定された瞬間にAmazonへアクセスし中古で発注をかけます。高専で使われる教科書(とくに高学年で使われているもの)は専門書としてAmazonで取り扱っていることが多々あるため、普通にAmazon経由で買えます。当たり前ですが中古の教科書であっても授業をうける上で支障はきたしませんし、なにより安いのがうれしいところ。数千円する本が送料込みで数百円で買えます。

 

ただし、注意点がいくつかあって、だいたいどこの高専(というより工業系の学校?)でも同じような現象が起きているのか、4月と10月になると一斉に発注がかかるらしく、中古の在庫がなくなる事があります。ですからできるだけ急いで発注をかけないといけません。

 

また、中古で版が古いと教科書として使えないこともあります。この辺りは担当の教官に確認するか、賭けに出るかの2択です。ちなみに使えなかった場合は、新しい教科書を買わなければいけない場合が多いです。要するにそれなりにリスキーだったりします。もちろんやるなら自己責任でお願いします。

 

 

奨学金について

私は専攻科に所属してから奨学金を借りるようになったのですが、高専は本科(1~5年生)の間も奨学金を借りることができます。

 

高等専門学校で奨学金の貸与を希望する方へ-JASSO

 

詳細についてはこのURLを見てほしいです。また、元来の趣旨と異なる話で申し訳ありませんが、こればっかりは各高専の学生課に問い合わせをお願いします。特に予約採用(入学してすぐに借りれるようにする)については知識が全く無いので……。

 

基本的に奨学金の書類に関しても、学費免除の申請と同様に学生課を通じて行う必要があります。こちらについても〆切を守れなかった場合は何もなかったことにされますから、できることなら〆切一週間前に提出して書類の不備に対応できるようにすることをおすすめします。

 

 

払った学生会費・後援会費を使う

この項では、語弊がある言い方なんですが、払ったものを最大限使おうとする努力について話します。例えるなら、バイキングの元を取りに行くみたいな話です。

先ほど説明した中に学生会費と後援会費という項目があったと思います。これ、ぱっと聞いた感じわけわかりませんよね。学生会費は学生会の予算に当たる部分で、例えば文化祭や部活動の予算に充てられます。後援会費は後援会の予算に当たる部分で、ざっくり言うと学生会費にプラスする形で、学生が何かしらの活動をする際にその一部を負担してくれるものです。

 

要するに、学生会費と後援会費は学生が何かしらの活動を学校を通して行わないと使えない金額です。他のお金に関しては学校に所属するために払う金額みたいなものでしたが、学生会費と後援会費については、それなりに活動しないと学校側から使ってもらえないのです。

 

じゃあどうするんだって話ですが、とりあえず部活に所属するのが手っ取り早いでしょう。これだけで学生会費を使ってもらえます。そしてできれば部活経由で成績を上げるといいでしょう。これで後援会費を使ってもらえます。

 

なんかこんな風に書くと「そんなこと考えて学生生活送るのかよ……」って引いている人多そうですね。ですがこのような生活を送れば、結果として学校側からの評価に繋がることも想像できると思います。卒業後に就職・進学をする際にはこの辺の評価の有無が結果として如実に現れてくるので、この考え方は私自身は結構まじめに話しています。

仲が良い友人が年明けるかどうかぐらいまで就職活動していたのが本当に見ていられなかったので。今の御時世、高専卒だからって簡単に就職できると思ったら全然違いますからね。

 

 

(番外編)アカデミック版は偉大

どんなものについてもですが、学生でいる間はできるだけ学生の特権を利用するべきです。私が特に推したいのは各高専の生協です。生協経由で本やCD、DVDを購入すると、もれなく10%オフです。

 

siganaitohoho.hatenablog.jp

 

だいぶ昔書いた記事ですが、ひょっとしたらこの記事が助けになるかもしれません。生協のマダムに見られて恥ずかしくない本や漫画、CD、DVDなどは積極的に大学生協経由で買いましょう。

 

また、わざわざここで書く話でもないですが、アカデミック版のソフトウェアは安いのでガンガン利用して買っちゃえばいいと思います。

 

CINEMA 4D学生サイト | MAXONは、学生のクリエイティブを応援します。

 

有名な3DレンダリングソフトのCINEMA 4Dなんかはそもそも学生にはソフトを無料で提供しています。専門分野によって使用するものは違うでしょうが、他にもこういう例はあると思うので探すといいと思います。

 

 

 

 

おわりに

というわけで大体こんな感じで書いてみました。なんか後半脱線気味だったんですが、多少は高専でかかるお金の話と節約の話が書けたのかなと思っています。ちょっと長く書きすぎた感じがしますが(6000字越えてた)、参考になれば幸いです。

 

あと、私みたいに貧乏なのに高専でオタクに染まり上がると、凄い色んな物にお金使うようになって本当に悲惨になりますから、覚悟しておきましょう。間違ってもデレマスとかグラブルとか、アニメとか映画とか、なんかこう、そういうのに手を出さないようにしましょう。

 

 

明日は@Raryosuさんの「高専の魅力と不満」です。明日の更新来たらこの下にURL書いておきますね。(来てたので載っけときます)

 

raryosu.hatenablog.com

 

 

肌寒い時期になりましたが、高専界隈の皆様は風邪をひいて体温を310.1500K超えないよう、どうかご自愛ください。それでは。