しがない学生の雑記

吐けども吐けども毒を吐く。

楽園追放を見に行ったら、ぶん殴られた気分になった

こんばんは。

 

Twitterでも話題になっていてずっと気になってきた楽園追放を見てきました。

 


『楽園追放 -Expelled from Paradise-』

 

予告編はこちら。でも、個人的には予告すら見ずに見てほしい。私がその状態で見て驚愕の連続で脳汁が出まくっていたので。

 


『楽園追放 -Expelled from Paradise-』劇場予告編 (30秒) - YouTube

 

で、まぁどんな映画なんだって話なんですが。

 

 

このツイートが的確すぎます。

 

すごーくざっくり説明すると、はじめに上記した予告編に有るようなロボット飛び回る戦闘シーンがあって、そこから事件を解決するためになんやかんやしている間にアンジェラ・バルザックCV釘宮理恵)のおっぱいが揺れたりお尻が見れたり、あとはじめて肉体を得てはじめて地球に降り立ったこともあって、不慣れで可愛い所いっぱい見せまくって、最後にもう一回ロボット同士のたまらない戦闘シーンが見れて、ELISAの曲が流れて、終了です。

 

 

 

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それではこのあたりからネタバレありに切り替わります。見てない人は劇場に走れ。ちなみに、現在時刻から行って明日(12/01)は映画の日ですから、1000円で映画が見れます。やっぱり劇場に走れ。

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心の底から面白かった一本。今までそんなにたくさん映画見たわけじゃないんですけど、確実に3本の指に入る面白さ。

 

私の言ういい映画は、見た後にいろんなことを考えさせる映画だとおもっています。

 

そりゃ楽園追放は本当にすごくって、戦闘シーンでのCGの動かし方も最高で、ずっと手に汗握りっぱなしだったし、アンジェラちゃんが本当に本当に可愛くて映画館でくぎゅううううしたくなるぐらい表情豊かで可愛かったし、それだけでも個人的には十分いい映画だと思うんです。

 

でも、この映画って本当に色々思う所があって。

 

例えば、映画内の台詞でもあった、アンジェラとフロンティアセッターの対比。

アンジェラはディーヴァ内で暮らしていた量子化された人間、フロンティアセッターは自我を持った人工知能でしたけど、これってどちらが人間らしいんだろうかとか考えると、凄く深いです。

 

しかも、公式が公開しているあらすじを見るとこんなことが書いてあるんです。

 

キャストには釘宮理恵三木眞一郎神谷浩史ら水島作品を支えてきた実力派が勢揃いし、人間臭い登場人物らに、命を吹き込んでいる。

 

引用元 ― 『楽園追放 -Expelled from Paradise-』

 

どう考えても狙っているとしか思えませんよね。人工知能であるフロンティアセッターのCVが神谷浩史で、しかも彼は人間臭い登場人物に声を当てているって書いちゃってるんですよ。

 

たしかに、本編のフロンティアセッターがようやく会えた人間のディンゴと会話したりセッションしたりする様子は人間よりも人間臭かったです。でも、物理的に人体を持っているわけではない。

 

逆にアンジェラは人間だったのに量子化されてディーヴァで暮らしていて、今回の一件でマテリアルボディとはいえ人体を持ったわけです。しかし価値観に関してはディーヴァ内で生活していたものが基準になっていて、見ている側からしたらとても人間臭いとは言えないわけです。

 

この2人の対比を考えていると、人間臭いものとは、人間らしさとは一体なんなのか?という疑問が問いかけてられていることがわかります。うん、やっぱり面白いですね。

 

 

もう一つ、例えばアンジェラがひたすら働く理由とか。

 

自分のマテリアルボディが成人体にならないまま、要は自分からロリになってまで(凄く良かったよこれ!)必死になって手柄を得ようとするアンジェラ。

 

アンジェラが手柄を得ようとする理由っていうのは、アンジェラ自身は意識していなくとも、ディーヴァ内でのリソースを同僚より沢山もらって、そしてそれを確保しておくことだったんじゃないかと思うんですよ。

 

(映画の中では明確に出ていないように見えたんですが、あの話の流れだと恐らくそうなんじゃないかと思います)

 

これって結局はさっきは人間臭くないって言ったアンジェラも、実は形は違えど人間臭く欲深い部分が多少あるんじゃないか?みたいに言えるのかなと思います。

欲深いって言うと少し語弊がある気がしますが、努力をした人間のみ恵まれるということをアンジェラは公平な制度だと言っていましたから、個人的には無意識に欲に忠実に生きている気がします。

 

このアンジェラの言動、考えも現実世界に置き換えるならば、お金に縛られて生きている人間にも見えてきます。必要以上にお金を稼ぐのは当然それを持っている方が嬉しいし、楽しいという考えが無意識に存在しているからなんじゃないでしょうか。誰だって、お金があるならあったほうが嬉しいですもんね。

 

ディーヴァ上での自由になれるというのも、結局は自分の持っているリソースを使った自由、つまり私達のいる世界でいえば、金を使った自由なわけです。だからこそそれを必死になって貯めこむ。

 

そんなアンジェラが最終的には自由に関する考え方が変わって、本当の意味での地球での自由を手に入れるわけですが、そのあたりのアンジェラの意識の変わり方っていうのがやっぱり感慨深いものがあって。色々考えさせられるわけです。

 

こういう部分がわたしがこの映画見てすごい好きだった部分です。単純に出来も素晴らしいけれど、キャラの心情や考えを考えだすと凄く奥が深くて、色んな事が考えられて、それだけでも凄く面白いですよね。

 

 

 

で、ながながと書いてしまって今更感が溢れるんですが、タイトルのぶん殴られた気分について。

 

映画を見ていて殴られるような衝撃ってはじめてでした。というのも、恐らく見た人なら分かるであろう、無音シーンあれは本当に凄いと思いました。

 

アンジェラがアーハンとの戦闘でどんどん高度を上げていった先で目にしたのは、一瞬の緑豊かだった頃の地球と、今の荒廃しきって地平線と青空しかうつらない地球。

 

この風景を見たアンジェラが「まだ自分の知らない世界がある」と言って、フロンティアセクターから宇宙に行くよう誘われたのを断るわけですが。

 

これって、普通はおかしく見えますよね。だってボロボロでずーっと地面しかなくって、何もないような地球を見たんですよ。知らない世界がある、なんて普通は言わないですよね。むしろそれを見て、更に広い世界であろう宇宙に行くことを決めたっておかしくないはずです。

 

でも私、映画館でこのシーン見てアンジェラの台詞聞いた時に、冷静に見たら何もないような風景にも、「何かがあるように見えた」んですよ。この辺りのシーンの見せ方が凄く上手いと思ったんです。

 

なんであんなふうに思ったのかは未だに帰ってきて考えていてもよくわかっていないんです。ただ、視点としてアンジェラが見て感動した風景と同じものを見させられたんじゃないかと思っています。

 

でもさ。

 

普通の人間とぜんぜん違う、SFの価値観で生きているキャラと同じ風景を見せ、感動させるって、どうやってやるんだろうね。思いつかないし、分かんないけど、本当に凄いよ、この映画。

 

 

 

そんなわけで、私はこの映画大好きです。まだ噛み砕ききれいていない所が沢山あるし、見直したいシーンも聴き直したい台詞も沢山あるので、人生で初めてブルーレイの映画を買おうと思います。ほかにも色々買い漁りたいです。

 

 

 

 

 

楽園追放 Expelled from Paradise 齋藤将嗣デザインワークス

楽園追放 Expelled from Paradise 齋藤将嗣デザインワークス

 

 

 

とりあえずかる~く見ただけでこれだけ欲しいものがあって、もう私の財布に冬が来ることが確定しました。あとはアンジェラちゃんのフィギュアがあったら最高だな!アンジェラちゃんマジ天使!

 

 

追記:Blu-ray届いて2回目見た記事を書きました。合わせてどうぞ。

 


楽園追放を見ました(2週ぶり2度目) - しがない学生の雑記