しがない学生の雑記

吐けども吐けども毒を吐く。

【便乗】道徳の読み物資料集が存外面白かった

anond.hatelabo.jp

 

こんばんは。

 

こんな増田読んだら、そういえば小学校の頃にやった道徳の授業っていつも気持ち悪いと思いながら受けていたなぁ、なんてことを思い出しまして。今の小中学生ってどんなもの読んでるのかな?と思いぐぐったら、文科省が提供している読み物資料集なるものを発見しました。

 

 

小学校道徳 読み物資料集:文部科学省

中学校道徳 読み物資料集:文部科学省

 

 

なんか私みたいに性格歪んだ人間がこんなもの読むのって、例の記事みたいにビッグカメラに自分から突っ込んでいってギャーギャー喚くみたいでまずい気もするんですが、炎上するならするで、例の記事みたいにPVも伸びておいしいよね!

 

 

そんなわけで小学生の方をいくつか読んでみました。印象的だったものをいくつか上げてみると。

 

しろくまの クウ

しろくまの子が魚を取れるようになるまで訓練している話。

 

多分、母のいうことはちゃんと聞け、自分のことは自分でできるようになれ、みたいなことが言いたいんだと思う。「2歳になるとお母さんと離れて暮らすんだから、自分で取れないとまずいだろう」という台詞があるんだけど、これも多分自立を促すセリフなのかもしれない。

 

しかし個人的に違和感を覚えたのが、親は何も教えないでじっと見ていて、クウがそこで、すわりこんで考えただけで魚をとることに成功しているってところ。

親が見ているってのは「さっき言ったやろ。自分で取れないとまずいんだぞ」という圧力にしか読めないし、子供は子供で、考えたらすぐに魚が取れるようになってるし、ほんとにそれでいいのかって感じがしてしまいます。

 

練習して、練習して、それで取れるようになりました!バンザイ!みたいな話と読めないこともないんだけど、だとしてもなんでそこで親が教えてあげないのかも分からないし、なんかこう、いろいろ端折りすぎている感じがします。

 

 

でもまぁ、これは低学年向けですからね。これぐらいの文量じゃないと授業に支障をきたすのかもしれません。

 

 

お客様

高学年向けらしくちょっと長めなのであらすじを。

 遊園地らしき場所でパレードを見る場面。注意事項として木に登るなよ、肩車するなよ、という話をしていたにもかかわらず、見えないことに苛立った客が注意事項を破りだす。そこに係員が来てやめさせる。そこで客の男性が係員に向かって一言。

 

「納得出来ないものを勝手に押し付けるのはおかしいんじゃないですか。わたしたちはお金を払って入場しているんです。お客様なんですよ。」

 

この台詞のあとに離れたところで木に登った人間が落ちて騒ぎに。その後パレード終了。でも私の気持ちは晴れないままだった。みたいな感じ。

 

 

決まりを守らない人間は必ず悪いことが起こるって展開は、いかにも道徳の文章っぽいです。題材としてはしかたがないのかもしれませんが、なんかこう、無理やり臭くって文章としては面白く無いですよね。

 

この文章、客の男性の台詞が思っていたよりも強烈だったのが印象的でした。小学校でこんなのやるんだってちょっと驚きました。でも、決して悪いことではない感じがします。

重箱の隅をつつくならば、もしも自分の親がこういうこと言っちゃうクレーマーだったら、どんな気持ちで授業受けるんだろうなって気はします。多分、そこで親に注意できる人間を学校は育てたいんでしょうね。

 

 

小学生向けは10本以上読んでみたんですが、いかにも小学生の題材に使う文章、と言った感じ。ろくでなしか無駄に優しい人間のどちらかが出てきて、それについて主人公がよく思ったり悪く思ったり、みたいな、大変わかり易い文章ではありました。

 

はてなで歪んだ人間としては、重い病気で死んだおじいちゃんが実はトンデモ医療の犠牲者だったたら、それはそれで別の題材になりそう、とか思っていました。そういうのも結構大切だと思うんですけどね。

 

また、低学年向けの題材は何が言いたいのかわかりづらいものが多く、これを題材として授業をする小学校の先生は辛そうに思えました。小学生の思考・視線に合わせた教育をしてらっしゃる先生方には本当に頭が下がります。モンペに負けずに頑張っていただきたいものです。

 

 

 

存外面白かったので中学生向けも見てみたんですが、最高の一本を見つけてしまったのでご紹介。

 

ネット将棋

ざっくり書くと、ネットの将棋で負けそうになったらログアウトしてしまえばいいと思っていた主人公のバツが悪くなる話です。

 

はなしの無理矢理感はこの際おいておいたにしても、インターネットで負けそうになるとログアウトする主人公がライトノベルではなく道徳の教材に登場するなんて思いもしませんでした。やっぱり文科省側も時代に合わせて教材を提供しているんですね。

 

そしてこの主人公が清々しいクズ。初っ端から知人に詰まれて嫌になったから、一生懸命考えてるふりをして時間切れにしてやろうって、お前。マジかよ。ほんとにこんなクズでいいのかよって感じ。

先述したようにその後ネット将棋で負けそうになるとログアウトする、いわゆる「切断厨」になるわけですが、最終的にクラスメートの話を聞いて笑えなくなっていて、もうなんていうか、典型的な厨房で最高に面白かったです。

 

 

言葉の向こうに

ネットの煽りに乗った主人公のお話。道徳らしい気持ち悪い終わり方ですが、煽られて必死に擁護している感じがすごいリアルでしたね。

 

書き込みの中で面白いなぁと思ったのは、例えば「中傷を無視できないで反論やつ、ファンとして恥ずかしいよ」とか。「中傷する人たちと同じレベルで争わないで」って書き込みは、明らかに例のAAですよね。最後の方になると、「挑発に乗って言い合っていたらキリがない」とか言われてスルースキルまで言及していました。まさかこんなことを道徳でやるとは。

 

インターネットの使い方って道徳でやるのか、という違和感を覚える部分がありますが、こういうものが文科省の題材として存在しているというのは少しホッとする部分があります。先生方もネットをまともに使えているかわかりませんが、少なくとも上で理解している人間が全くいないわけではない感じはしますね。

 

 

 

 

そんなわけで紹介をしながらいろいろと書いてみました。思っていたよりも道徳の教材って面白いですね。例の増田に書かれていたような気持ちの悪い文章もなかったわけではありませんし、違和感アリアリの終わり方をしている文章も多数見受けられましたが、そんなに悪く言い過ぎるもんでもないと思います。

 

 

ちなみに、増田を読んだ時に昔受けた道徳の授業の気持ち悪い内容を思い出したので、その内別記事で書こうと思います。

 

 

子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話

子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話

 
道徳授業のユニバーサルデザイン (授業のUD Books)

道徳授業のユニバーサルデザイン (授業のUD Books)

 

 

上の本、タイトルからして気持ち悪いなぁ。レビューが絶賛しているけど、レビューがレビューになっていない感じが拍車をかけて気持ち悪くしている。

 

それでは ノシ