福島の入水鍾乳洞という楽しい地獄の思い出
私の大嫌いなFacebookを見ると、さわやかリア充の後輩(スキル的には先輩)が鍾乳洞に行っていました。いやー、楽しそうで何よりです。爆発すればいいのに。
そんな写真を見ていたら、福島の鍾乳洞に行ったことを思い出したのでちょっと書いてみます。
いまから約10年前、私がまだ小学生の頃、伯父といとこ、そして父と私であぶくま洞にいきました。あぶくま洞というとご存じない方も多いかもしれませんが、南東北では結構有名な鍾乳洞で、ライトアップとかイベントとかもやってて中々の観光地として認知されている、と思います。たしかその時は、普通に観光目的で行ったはずです。
その後にどこにいこうか特に決まっていない時に、父が職員さんに何処か遊べるところはないかと聞いて教えられたのが、入水鍾乳洞です。
ちなみにこれで、「いりみずしょうにゅうどう」と読みます。ちなみに係員さんは「じゃぶじゃぶ洞」と読んでいました。
漢字の並びといい、このオノマトペといい、明らかにヤバそうな香りがするということでその後直行したんですが、これが中々にすごかった。
冒険心をくすぐる地底空間。まさにアドベンチャーワールド!!-
国の天然記念物に指定されている入水鍾乳洞は、本格的なケイビングの醍醐味が味わえる鍾乳洞。
全長900m の狭い洞内は、入□から最奥部までA、B、Cの3 コースに分かれています。
Bコースから奥はほとんど手が加えられていないため、10 度の冷たい水に膝まで浸かり、懐中電灯やろうそくの灯りを頼りに、鍾乳洞の隙間をくぐったり、よつんばいになりながら進みます。(Cコースは案内人が必要 です。入口のお店でろうそく、合羽、ゴムぞうりなどがレンタルできます。)
入水鍾乳洞 あぶくま洞より引用、強調、色は当ブログによるものです。
どうでしょうか。もう完全に冒険です。アドベンチャー。インディージョーンズの世界です。
そうですね、入る前は楽しいんです。この文章見てわかる通り、なんかわくわくするでしょう。小学生の私はたしかにワクワクしていました。こりゃ面白そうだ、いい夏の思い出になる。そんな風に考えていました。
じゃあ早速入ろうという話になるんですが、その場では私含め小学生が複数人いるということもあって、Bコースを薦められました。Cコースは本当に行く気のある奴が行くものだそうで、父や伯父は行く気まんまんだったんですが、「まぁお前らが着いてこれないと大変だからなww」と鼻で笑いながらBコースで行くことに決定。
ちょっとわかりづらいと思うので補足しておくと、入水鍾乳洞は引用文にもある通り全長900mで構成されていて、途中にチェックポイントが2つ存在しています。1つ目はAコースの折り返し地点、2つ目はBコースの折り返し地点です。要するに、Cコースに行く人達は鍾乳洞最深部まで進む必要があるので、体力的にも結構キツいわけです。
いろいろあってようやく鍾乳洞に入ったわけですが、入る前に草履に履き替えて、ろうそくを渡されます。いいですか、草履に履き替えて、ろうそくを渡されるんです。草履を履くのは濡れまくった鍾乳洞の中に入っても転びづらくするため、そしてろうそくは、それを明かりとして用いるためです。
Aコースのチェックポイントを通り過ぎた後は本当に照明が存在しません。ろうそくの明かりのみを頼りに先を進まなければいけないのです。おお、なんとアドベンチャーなんでしょう。
しかも、鍾乳洞なので下は水が流れまくり、上からも水垂れまくり、何が言いたいかというと、ろうそくの炎がしょっちゅう消えて真っ暗になります。おお、アドベンチャーだ。アドベンチャーすぎるぞ。
そんな頼りない明かりを頼りに、人がすれ違えるかどうかギリギリの太さの鍾乳洞を、時に四つん這いになりながら、時にビルの合間を通り抜けるような格好になりながら進み続けます。
当然ですが、入水鍾乳洞もある程度認知度があるようで、向こうからは外に出ようとする人達もいるわけです。そういう人達と、細い鍾乳洞のなかですれ違いをするんですが、当然相手も私もろうそくをもっているので、一歩間違えば大惨事なわけです。そういう別の意味の恐怖感もあって、本当に辛かったのを覚えています。
そういえば、鍾乳洞の中ってなんかよくわからない生き物が住んでるんですよ。ちょっとサイトから引用するとですね。
滝根町の洞穴から見つかっている生物はヤスデ、カニムシ、トビムシ及びカマドウマです。
また、昼間に洞穴の中で休み、夜になると外に出て昆虫を食べて生活しているコウモリがいます。あぶくま洞では、キクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリ及びテングコウモリが生活をしています。
コウモリはあんまり出てこなかったんですが、なんかよくわからない虫はいっぱいいたのを覚えています。なんかこう、足が多いんですよ、足が。あんまりそういうの得意じゃなかったので中々に辛かったです。
そんな入水鍾乳洞ですが、いざ行って帰ってくると、なんか楽しかった記憶があるんですよね。たしかにろうそく消えただの、キモい虫がいるだの、中年のおっさんとすれ違う時になんか臭っただの、いろいろと嫌だったり怖かったりしたこともあったんですが、やっぱり入って出てきた時の達成感はひとしおなわけです。
今年のゴールデンウィークはだいぶ天候に恵まれて暑いみたいですから、まだ行くところが決まっていないという皆様におかれましては、ちょっとした異世界、いや、ちょっとした地獄を体験するために、ぜひとも入水鍾乳洞に足を運んでみてはいかがでしょうか。
ちなみにオチとしては、父と伯父はそれぞれ相当憔悴しきって出てきてかなり辛そうでした。しかしながら「若い社員と新入社員の研修に使える」とゲスい笑顔で笑い合っていましたね。その後どうしたのかは聞いていませんでしたが、とりあえず社員の皆様はご愁傷さまでした。
- 作者: 小島健一,栗原亨,小林哲朗,津村匠
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2008/01/26
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 126回
- この商品を含むブログ (25件) を見る
なんか尻切れトンボな文章ですが、特に思い出せることもないので今回はこのへんで。次回は詩羽先輩について書くかもしれません。